知っていると作品を見るのがもっと楽しくなる アートの材質・技法【写真編】

美術館の企画展示を見に行ったら、お金も時間もかかりますよね。でも、無料でもっと気軽にアートを楽しむことができるギャラリーもあるんです。
「美術館には行くけれど、ギャラリーってちょっとハードルが高い…」と感じる方も、作品を販売する場所ではなく、様々な企業が芸術文化支援のために展開しているギャラリーなら入りやすいのではないでしょうか?
この記事では、現代アート&デザイン系の展覧会が見られる場所を中心に、「銀座」にある企業の主催する無料のギャラリーを、マップとあわせてご紹介します。(「写真」系の企業ギャラリーについては別の記事で改めてご紹介します。)
銀座一丁目駅近くの「ポーラ銀座ビル」3Fにある、ポーラ・オルビスグループのギャラリーです。「ポーラ銀座ビル」には化粧品売り場やエステ、レストランが入居しますが、そのビル全体のコンセプト「美容」「美術」「美食」のうち、「美術」部分を担う場所。銀座の地で多くの人に芸術的感性を磨いてもらうことを目的に、無料で一般開放されています。
「ポーラ」といえば、箱根には、印象派などの西洋絵画を中心に約1万点を収蔵する「ポーラ美術館」がありますが、こちらはその別館の位置づけ。現代アーティストの個展を中心に、1ヶ月程度のスパンで展覧会を開催しています。
公益財団法人ポーラ美術振興財団では、若手アーティストへの助成も行っており、採択されたアーティストの作品を毎年「ポーラ ミュージアム アネックス展」で公開する試みも。
開催される展覧会では、まず一目見て美しい・楽しいと感じられる作品を作品を扱った展示が多く、幅広い層の方が楽しめるギャラリーです。
資生堂パーラーなどのある「東京銀座資生堂ビル」地下1階にあるギャラリーです。オープンは1919年。なんと、現存する日本で最古の画廊といわれているのだそう!
2-3ヶ月のスパンで展示替えがあり、年間3-4本の展覧会を開催。現代美術を主軸として、前衛性と純粋性を兼ね備えた同時代の表現を積極的に紹介しています。
ギャラリーの空間の天井高は5mを超え、銀座地区でも最大級の空間。 空間を活かした巨大なインスタレーションの展示や、プロジェクションでの大きな映像展示のようなダイナミックな展示も魅力です。
資生堂では、新進アーティストの活動を応援する公募展「shiseido art egg」を毎年開催。受賞者の展覧会もこちらで開催されています。過去には宮永愛子さんや、村山悟郎さん、今井俊介さん、川内理香子さんといったアーティストも受賞するなど、実力のある若手アーティストたちが輩出されています。
エルメス銀座店のフロアの8階にあるアートギャラリーです。2008年にパリで発足した非営利団体「エルメス財団」主催によるもので、国際色豊かな実力派アーティストの展覧会が開催されています。
エルメス銀座店は、建築家 レンゾ・ピアノの手がけた「ガラスブロック」に覆われた建築が特徴ですが、展示室にもガラスブロックを通した自然光が差し込み、個性的な展示空間をつくりだしています。また、5Mを超える天井高もあり、こうした展示空間を活かした大型作品やインスタレーションが展開されることも。
ちなみに、1Fにあるウィンドウ・ディスプレイでも、アーティストやデザイナーの表現が展開され、時にはギャラリーの展覧会と連動した展示が展開されます。
DNP銀座ビルにある、グラフィックデザインの専門ギャラリーで、年間8回程度の企画展が開催されています。交詢社通りに面した1Fと、地下1Fの2フロアにわたる展示スペースに加え、2Fはライブラリとして展示にまつわる資料や映像も公開。
様々なデザイナーの個展のほか、ADC(東京アートディレクターズクラブ)による公募展「日本のアートディレクション展」や、TDC(東京タイプディレクターズクラブ)による国際アニュアルコンペティションの成果展「TDC展」が毎年開催されています。
同スペースに隣接するスペース「MMM(メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド)」では、展覧会に連動したグッズの販売や小展示企画も開催されています。
新橋駅近く、外堀通りに面した「リクルートGINZA8ビル」の1Fにあるギャラリーです。オフィスビルの中にあるギャラリーですが、大通りに面した入り口を入ってスグの場所にあるので入りやすいですね。
デザイナー・亀倉雄策氏のデザイン誌「クリエイション」の名前をとったこのギャラリーでは、グラフィックデザインやイラストレーション、写真といった「ビジュアルコミュニケーション」をテーマに、日本を代表する作家から、先鋭的な作家の作品を紹介しています。
また、グラフィックデザインの発展に寄与することを目的とした「亀倉雄策賞」受賞者の展覧会や、「日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)」の有望なグラフィックデザイナーに贈られる「JAGDA新人賞」の受賞者展、「ADC(東京アートディレクターズクラブ)」による公募展の受賞者展「日本のアートディレクション展」と、今のデザインの流行がわかるような展覧会も開催されています。
ヒューリック銀座7丁目ビルの地下1Fにある、こちらもリクルートによるギャラリーです。こちらは若手クリエイターに表現する「機会」と「場所」を提供するために1990年にオープン。
毎年、写真とグラフィックデザインの公募展「1_WALL」(※2009年までは「ひとつぼ展」)を行い、そのファイナリスト展や、過去の受賞者の展示を行っています。
2023年9月からは、先述の「クリエイションギャラリーG8」と一体化し、新アートセンターとして東京駅八重洲南口直結のグラントウキョウサウスタワー1階にリニューアルオープン予定です。
銀座四丁目交差点にある「三愛ドリームセンター」の8, 9Fにある、円筒形の展示スペースが個性的なギャラリーです。以前は「リコーイメージングスクエア銀座」という写真の展示を行うスペースでしたが、写真の展示スペースを新宿に統合。2021年に「RICOH ART GALLERY」としてリニューアルオープンしました。
リコー独自の2.5D印刷「StareReap」で制作された作品を展示するギャラリーで、これまでに、金氏徹平、大山エンリコイサム、井田幸昌、ライアン・ガンダーなど、著名なアーティストたちとコラボレーション。アーティストとリコーの技術者の二人三脚で「StareReap」の技術を使った新作を制作するというユニークな取り組みが行われ、その作品が展示されています。
企業のギャラリーですが、こちらでは作品の販売も行っており、気に入った作品は購入することもできます。
東京・銀座の数寄屋橋交差点のほぼ真下、地下1階の駐車場の一角にあるギャラリーで、10坪(約30.0㎡)ほどの小さなスペースです。建設工事中の「Ginza Sony Park」に隣接しています。
コーヒースタンドが隣接し、ギャラリーの椅子に座り、コーヒーを飲みながらゆったり作品を楽しむことができるユニークなスペース。
銀座を訪れるたびに新しい体験を提供したいという思いから、1-2週間程度の比較的短いスパンで展覧会を開催しているそうです。
「シャネル銀座ビルディング」の4階にあるスペースです。こちらでは、コンサートと展覧会の2つの柱をベースに、シャネルならではのユニークな企画が開催されています。
展覧会は、写真展を中心に、絵画や彫刻など、国内外のアーティストによる展覧会が開催されています。シャネルらしく、ファッションをテーマ・モチーフとした作品も多く扱われているのも特徴的です。
「無印良品 銀座」の6Fにあり、2つのギャラリースペース、サロン、ライブラリー、ショップを備えたスペースです。スペースの命名は、デザイナーの田中一光氏。
デザインをテーマに無印良品が考える未来を見据えたメッセージを発信する、複合的なデザイン文化の発信基地となる場所。工芸や民芸、手仕事、また、環境などをテーマに、生活と結びつくような展覧会が多く開催されています。
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たくさんのギャラリーが集中する銀座では、どこかでは展覧会が開催されているもの。気軽に入れて、無料で見られる企業のギャラリーだから、待ち合わせまでのちょっとした時間や、ショッピングの合間などにも、ふらっと入ってアートを身近に楽しんでみませんか?