LWA / Life With Art(ルワー)
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【東日本編】いつかは行きたい!全国の芸術祭 10選

ぷらいまり。

2022.09.28

全国各地で開催されている「芸術祭」。美術館の展覧会とは違い、街中や屋外に作品があらわれたり、大規模な作品が展示されたりして、今年はどこの芸術祭に行こうかな?と楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。

ひとことで「芸術祭」や「国際展」と言っても、地域やイベントごとに特徴があり、大きく印象が異なることも。

また、3年に1度の「トリエンナーレ」や、2年に1度の「ビエンナーレ」といった形式で開催されることが多い芸術祭ですが、コロナ禍で延期や中止も相次ぎ、次の開催年はいつ?と、気になるものも。

この記事では、日本全国の代表的な「芸術祭」それぞれの特徴や開催年をまとめ、【東日本編】と【西日本編】に分けて10ずつご紹介します。

【西日本編】はこちら▼
【西日本編】いつかは行きたい!全国の芸術祭 10選

1) 北海道の雄大な自然と、賑やかな札幌の街の両面をアートで体感

「札幌国際芸術祭」(北海道)

公式サイト:https://siaf.jp/
会場:札幌市内各所(札幌市街地、モエレ沼公園、札幌芸術の森など)
初開催年:2014
開催年:2014, 2017, (2020中止), 2024(予定)
ディレクター:開催年によって異なる

3年に一度、札幌市で開催される芸術祭です。略称は「SIAF」(サイアフ)。会場はモエレ沼公園や、札幌芸術の森、札幌駅の地下街までと多岐にわたり、北海道の雄大な自然と、賑やかな札幌の街並みの両方でアートを楽しむことが出来ます。

2014, 2017年は夏に開催されましたが、2020年からは会期を冬に変更し、北海道らしい雪景色のなかで作品を体感できるイベントへと変化しましたが、コロナ禍を背景に2020年の開催は中止に。「SIAF2020特別編」として、オンラインプログラムや予定されていた企画の紹介展示を実施しました。

次回は、6年半ぶりとなる2024年に、1月20日〜2月25日の会期で開催を予定。ディレクターに、メディアアートの先進的な取り組みに長年携わってきた小川秀明氏(アルスエレクトロニカ・フューチャーラボ共同代表/アーティスト)をむかえ、現代アートに留まらず、サイエンスやテクノロジーと有機的に結びついたアートを通して、未来を考えます

直近の開催日程(開催中・開催予定も含む)

札幌国際芸術祭2024(SIAF2024)
会期:2024年1月20日(土)〜2月25日(日)

2)「アート」「音楽」「食」を3本の柱とした総合芸術祭

Reborn-Art Festival (宮城県)

公式サイト:https://www.reborn-art-fes.jp/
会場:宮城県 石巻市街地、牡鹿半島
開催年:2017 2017, (2018(プレイベント)), 2019, 2021-2022
ディレクター:年・エリアによって異なる

宮城県の石巻を主な舞台に、2年に1回開催される「アート」「音楽」「食」の総合芸術祭です。

音楽プロデューサーの小林武史氏が2005年から8年間開催していた音楽フェス「ap bank fes」を前身とし、東日本大震災をきっかけに、東京の「ワタリウム美術館」とタッグを組むことで始まったユニークなイベント。「Reborn-Art=人が生きる術」をキーワードに掲げ、2017年から開催されています。

2017年に荻浜のホワイトシェルビーチに設置された名和晃平氏の「White Deer (Oshika)」は、同イベントのシンボル的存在です。

震災から10年という節目となる2021年は、コロナ禍を見据え、2021年夏[前期]と2022年夏[後期]と2期に分けて開催されました。

直近の開催日程(開催中・開催予定も含む)

Reborn-Art Festival 2021-22 後期]
会期:2022年8月20日 (土)〜10月2日(日)

3)他では見られない美しい里山文化の芸術祭

中之条ビエンナーレ(群馬県)

公式サイト:https://nakanojo-biennale.com/
会場:宮群馬県中之条町
初開催年:2007
開催年:2007, 2009, 2011, 2013, 2015, 2017, 2019, 2021, 2023(予定)
総合ディレクター: 山重徹夫

群馬県中之条町で2年に1回開催される国際現代芸術祭です。

2007年に、総合ディレクターの山重徹夫氏によって立ち上げられました。中之条が1996年に公開された小栗康平監督の『眠る男』のロケ地となったことをきっかけに、廃校や保養所といった施設を芸術文化の育成を目的としての活用をはじめ、アーティストがその土地に滞在して作品制作を行う活動をはじめたことがきっかけになったのだそう。

温泉でも有名な中之条は、雄大な山々に囲まれた風景やラムサール条約湿原、養蚕天蚕文化、伝統が受け継がれる民俗行事や祭事など、他では見られない美しい里山文化に触れられます。

国内外から創造的、革新的なアイデアやプロジェクトをもつ、幅広い分野のアーティストたちが集まり、地域に滞在して制作を行い、その成果を中之条ビエンナーレで発表。アート展示のほか、演劇、身体表現などのパフォーマンスも展開されます。

2023年には、第9回をむかえる「中之条ビエンナーレ2023」を開催予定です。

直近の開催日程(開催中・開催予定も含む)

中之条ビエンナーレ2023
会期:2023年9月9日(土)-10月9日(月・祝) 予定

4)生活都市で市民に寄り添う芸術祭

さいたま国際芸術祭 (埼玉県)

公式サイト:https://art-sightama.jp/
会場:さいたま市内各所
初開催年:2016(「さいたまトリエンナーレ」として開催)
開催年:2016, 2020, 2023(予定)
ディレクター:開催年によって異なる(ゲストディレクター)

2016年に「さいたまトリエンナーレ」としてスタートし、その後、「さいたま国際芸術祭」と名称を改め、2020年に開催。次回は2023年にも開催が予定されています。

「生活都市」であるさいたま市の浦和、大宮、与野の3区で場所性を活かしたプロジェクトを展開。プロのアーティストによる作品を展開するだけではなく、市内の文化や文化芸術活動と出会う場をつくり足跡を市民に残すことも目的に開催されて、市民や来場者自身のライフスタイルに合わせた「アートへ参加する習慣」をつくりだすプロジェクトなども展開されました。

2023年は、2016年の参加アーティストでもある現代アートチーム「目」がディレクターを務めることが発表されています。

直近の開催日程(開催中・開催予定も含む)

さいたま国際芸術祭2023
会期:2023年10月7日〜12月10日

5)市内を縦断するローカル線を軸としたエリアで開催

房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス (千葉県)

公式サイト:https://ichihara-artmix.jp/
会場:千葉県市原市内各所
初開催年:2014
開催年:2014, 2017, 2021
総合ディレクター:北川フラム

千葉県市原市で3年に1度開催する、里山が舞台の芸術祭です。2020年はコロナ禍の影響で、部分的に開催した後、2020+として2021年秋に改めて開催されました。

五井駅から上総牛久駅を結ぶ、市原市を縦断するローカル線「小湊鉄道」を軸としたエリアを中心に開催されており、駅では「駅舎プロジェクト」の作品も多数展開され、駅と会場をつなぐ芸術祭無料周遊バスも利用できます。

他の地域では夏〜秋の時期に開催される場合が多い「芸術祭」ですが、「いちはらアート✕ミックス」は、例年3-5月頃の春の時期に開催。小湊鐵道沿線では菜の花などの花を楽しむこともでき、里山の景色とアートを合わせて楽しめるイベントです。

直近の開催日程(開催中・開催予定も含む)

房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020
会期:2021年11月19日(金)~12月26日(日)

6)“東京”のまちを舞台に アーティストと住民でつくりあげる

東京ビエンナーレ (東京都)

公式サイト:https://tb2020.jp/
会場:東京都心北東エリア
初開催年:2021
開催年:2021,2023(予定)
総合ディレクター:中村政人、小池一子

東京ビエンナーレは、“東京”のまちを舞台に“2年に1度”開催する国際芸術祭です。

当初、2020年に初回の開催が予定されていましたが、新型コロナウィルスの影響で、2021年に初開催となり、次回は、2023年の開催が予定されています。

現代美術家・東京藝術大学教授の中村政人氏と、クリエイティブ・ディレクターの小池一子氏が総合ディレクターを務め、世界中から幅広いジャンルの作家やクリエイターが東京のまちに集結し、まちに深く入り込みながら、地域住民の方々と一緒に作り上げていきます。

東京の北東に位置する千代田区、中央区、文京区、台東区の施設や公共空間を舞台として展開。作品展示の他、トーク、ワークショップ、パフォーマンスなども開催されました。

直近の開催日程(開催中・開催予定も含む)

東京ビエンナーレ2023
会期:2023年後半を予定

7)国内でも有数の規模、世界最新の現代アートの動向を提示する国際展

横浜トリエンナーレ (神奈川県)

公式サイト:http://www.yokohamatriennale.jp/
会場:横浜みなとみらいエリア
初開催年:2001
開催年:2001, 2005, 2008, 2011, 2014, 2017, 2020, 2023(予定)
総合ディレクター:開催年によって異なる

横浜市のみなとみらい地区で3年に一度開催する現代アートの国際展です。

第1回は2001年に開催され、日本で初めての大都市部での大規模な国際展となりました。3年に1回開催される「トリエンナーレ」形式(2004年は資金・会場の都合で2005年に延期)で開催され、2023年には8回目となる、国内の国際展としては歴史あるイベントとなっています。

みなとみらい地区を中心に作品を展示しており、2011年以降は横浜美術館をメイン会場として開催されています。また、毎回新たな総合ディレクターが任命され、方針に合わせてキュレーター・チームを編成するなど組織体系も変わるため、年によって展示の内容が大きく変わり、テーマ性が強い展示です。

国内の国際展としては有数の規模を誇り、国際的に活躍するアーティストの作品を展示するほか、新進のアーティストも広く紹介。世界最新の現代アートの動向を提示してきています。

次回は2023-2024年に、アーティスト リウ・ディンと、美術史家 キャロル・インホワ・ルーをアーティスティック・ディレクターに迎えて開催予定です。

直近の開催日程(開催中・開催予定も含む)

ヨコハマトリエンナーレ2023

会期:2023年12月9日(土)~2024年3月10日(日)

8) その場でしか見られない、サイト・スペシフィックな作品が多数

大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ (新潟県)

公式サイト:https://www.echigo-tsumari.jp/
会場:越後妻有地域 (新潟県十日町市、津南町)
初開催年:2000
開催年:2000, 2003, 2006, 2009, 2012, 2015, 2018, 2022
総合ディレクター:北川フラム

2000年から3年に1度開催されており、2022年に8回目の開催を迎えた、歴史ある芸術祭。

ドイツで10年に1度開催される「ミュンスター彫刻プロジェクト」を参考にしたともいわれており、街や里山のいたるところに作品を点在させる方法で作品が展示されます。その場所に帰属する作品や、置かれる場所の特性を活かした作品が多く、また、多くの作家が滞在制作を行い、地域固有の問題に向き合った作品を発表するなど、その場所で見ることに意味のある作品が多いのが特徴です。

もともと「越後妻有(えちごつまり)」の地名はありませんでしたが、1996年に、6市町村に分かれていた十日町周辺の地域を「アートでつなぐ」という意味で「越後妻有アートネックレス整備構想」が策定され、その成果を3年に1回発表する場として「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」が企画されました。

現在では、3年に1度のトリエンナーレ形式の芸術祭のほか、1年を通して、約200点の作品を楽しめるだけでなく、季節ごとに企画展やイベント、ツアーを開催。2018年は約54万人の来場者数を記録しました。2021は新型コロナウィルスの影響で開催延期となり、2022年に開催されています。

直近の開催日程(開催中・開催予定も含む)

越後妻有 大地の芸術祭 2022
会期:2022年4月29日(金祝)~ 11月13日(日)

9)“さいはて”の地から、最先端の現代アートを発信する

奥能登国際芸術祭 (石川県)

公式サイト:https://oku-noto.jp/ja/index.html
会場:石川県珠洲市
初開催年:2017
開催年:2017, 2021
総合ディレクター:北川フラム

石川県の奥能登・珠洲市を舞台に、3年に1回の開催を目指して開催される芸術祭です。

2017年に初開催され、第2回は2020年に開催予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により2021年に延期。次回は、2023年の開催が決定しています。

“さいはて”の地から、最先端の現代アートを発信する芸術祭として、奥能登の自然や祭り、食など、生活文化に根差しながら国内外のアーティストが作品・空間をつくり展開するユニークなイベントです。

芸術祭の会期外も、18作品が常設作品として定期的に公開されています。

直近の開催日程(開催中・開催予定も含む)

奥能登国際芸術祭2023
会期:2023年9月2日(土)-10月22日(日)

10)北アルプスの地形と豊かな自然を活かした作品群

北アルプス国際芸術祭 (長野県)

公式サイト:https://shinano-omachi.jp/
会場:長野県大町市
初開催年:2014 (「信濃大町2014 −食とアートの回廊−」として開催)
開催年:(2014), 2017, 2021
総合ディレクター:北川フラム

長野県の大町市を舞台に、3年に1回開催される芸術祭です。2014年に前身イベントである「信濃大町2014 −食とアートの回廊−」が開催され、2017年から「北アルプス国際芸術祭」となりました。

2017年には、 皆川明氏(ミナ ペルホネン)が公式グッズのデザインを担当し、2020-2021では、ビジュアル・ディレクターとしてメインビジュアルのデザインを担当しています。

2020年は新型コロナウィルスの影響で延期となり、「北アルプス国際芸術祭 2020-2021」として、2021年の夏〜秋の会期で開催されました。

市内を「市街地エリア」「ダムエリア」「源流エリア」「仁科三湖エリア」「東山エリア」と、特徴のある5つのエリアに分け、それぞれの魅力を引き出した作品を展示。日本列島の中心・フォッサマグナが走り、扇状地に囲まれた長野県大町市。特徴的な地形、豊かな自然を活かした作品が多く展示されます。

直近の開催日程(開催中・開催予定も含む)

北アルプス国際芸術祭 2020 - 2021
パフォーマンス会期:2021年8月21日(土)~2021年10月3日(日)
アート会期:2021年10月2日(土)~2021年11月21日(日)

各地で開催されている芸術祭、いくつ行ったことがありましたか?気になる芸術祭・国際展があったら、是非次の開催日程をチェックしてみてくださいね。

ぷらいまり。 ライター / ぷらいまり。

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