LWA / Life With Art(ルワー)
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【表参道・六本木・渋谷 編】企業や大学のギャラリーで 無料でアートを楽しもう!

ぷらいまり。

2022.08.28

美術館の企画展示を見に行ったら、お金も時間もかかりますよね。でも、様々なギャラリーで無料でアートを楽しむこともできるんです。

「美術館は行くけれど、ギャラリーってちょっとハードルが高い…」と感じる方も、作品を販売する場所ではなく、様々な企業が芸術文化支援のために展開しているギャラリーなら入りやすいのではないでしょうか?

この記事では、現代アート&デザイン系の展覧会が見られる場所を中心に、「表参道・六本木・渋谷」にある企業の主催する無料のギャラリーを、マップとあわせてご紹介します。(「写真」系の企業ギャラリーについては別の記事で改めてご紹介します。)

❶ GYRE GALLERY

「ヴォイド オブ ニッポン 77 展 戦後美術史のある風景と反復進行」(2022) 展示風景
「ヴォイド オブ ニッポン 77 展 戦後美術史のある風景と反復進行」(2022) 展示風景

表参道にあるファッション複合ビル「GYRE」3Fにあるギャラリーです。アートを主軸として、ファッション、写真、建築、メディアといったさまざまなジャンルを横断的するような展覧会を開催しています。

展示内容や作品コンセプトによって、より有機的に姿を変えることができる回遊型ギャラリーになっており、会場をぐるっと一周するかたちで入り口に戻ってくるつくりが特徴的です。

GYRE GALLERYでの展覧会と連動して行われる、GYREのエスカレーター部分の地下1Fから5Fまでの吹き抜け空間を使ったダイナミックな展示も魅力的なので、展示を見に行ったらあわせてチェックしてみてくださいね。

❷ スパイラルガーデン

「OKETA COLLECTION: 4」(2021) 展示風景 (加藤泉 作品)
「OKETA COLLECTION: 4」(2021) 展示風景 (加藤泉 作品)

表参道の複合文化施設 「スパイラル」の1Fにあるギャラリースペースです。こちらは企業メセナというわけではありませんが、ショップやカフェもある入りやすい空間で、「庭を散策して花々を見つけるようにアートと出会える」をテーマに、無料で楽しめる展覧会が展開されています。

自然光が溢れるアトリウム、カフェと隣接する細長いギャラリー、2Fへと続く青山通りに面したエスプラナード(大階段)で構成される、スパイラルの建物のなかでも最も象徴的な空間。

「スパイラル」建物の名前の由来にもなっているらせん状のスロープのある吹き抜けの空間は、天井高12.6m。天井の高さを活かした作品や、目玉の展示物を配置するなど、この空間を利用した印象的な展示も多く展開されています。

❸ エスパス ルイ・ヴィトン東京

「ラシード・ジョンソン 「Plateaus」」(2022) 展示風景
「ラシード・ジョンソン 「Plateaus」」(2022) 展示風景

「エスパス ルイ・ヴィトン」は、「フォンダシオン ルイ・ヴィトン」という、「現代アート」と「現代アーティストのインスピレーションの源となった重要な20世紀の作品」に特化した芸術機関の所蔵する作品を展示するアートスペース。東京をはじめ、大阪、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京やソウルにもスペースを構えています。

東京のスペースは、表参道にあるルイ・ヴィトン表参道ビルの7階に位置し、同財団が所蔵するコレクションと主催する展覧会を開催。

天井高8.45m、面積193㎡の空間で、広大な展示室である上に、3面が天井までのガラス張りになっているため、まるで空中に浮いているような開放感のある展示室です。

❹ DIESEL ART GALLERY

「齋藤翼 「MY EYES」」(2022) 展示風景
「齋藤翼 「MY EYES」」(2022) 展示風景

ライフスタイルブランド「DIESEL」が⼿掛けるギャラリーで、渋谷にある「DIESEL SHIBUYA」の地下1Fにあります。

知名度、ジャンル、世代を問わず、グラフィックや写真、インスタレーションなど世界中から厳選した幅広いテーマのアート展を開催しており、新進気鋭のアーティストや、他では⾒ることができないアバンギャルドな作品と気軽に触れ合える場です。

ファッションアイテムでアーティストとのコラボレーションが展開されたり、ZINEのようなオリジナルアイテムも制作されるなど、気軽にアートを日常に取り入れられるような工夫も面白いギャラリーです。

❺ 東京都渋谷公園通りギャラリー

渋谷公園通りギャラリー 外観 (「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」(2022)開催時)
渋谷公園通りギャラリー 外観 (「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」(2022)開催時)

渋谷PARCOの向かい、渋谷区立勤労福祉会館1Fにある、公益財団法人東京都歴史文化財団が運営するギャラリーです。

「アートを通してダイバーシティの理解促進や包容力のある共生社会の実現に寄与する」ことを目的に、正規の美術教育を受けずに制作されてきた作品である「アールブリュット」(本ギャラリーでは、その中でも、障害をもった方の表現を取り上げる場合が多い)の作品を中心とした展覧会を開催しています。

大通りに面したガラス張りの開放的な展示スペースと、2つの展示室をもち、渋谷では比較的広い展示空間を持ったギャラリーです。

❻ 東京ミッドタウン・デザインハブ

「日本のグラフィックデザイン2022 (2022)」 展示風景
「日本のグラフィックデザイン2022 (2022)」 展示風景

六本木の「東京ミッドタウン」のミッドタウン・タワー5Fにあるデザインを扱うギャラリーです。デザインに関する「プロモーション」「職能」「研究教育」という3つの異なる役割を担う4つの機関が連携して運営しています。

年間を通じて、デザインに関する展覧会を開催しており、さらに、展覧会と連動したセミナーやトークショー、ワークショップも開催されます。床面積も約200平米と広く、ボリュームのある展示を楽しむことが出来ますよ。

例えば、「日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)」の年鑑『Graphic Design in Japan』に掲載される作品を紹介する「日本のグラフィックデザイン」展や、グッドデザイン賞を受賞した作品を紹介する「GOOD DESIGN EXHIBITION」、デザインを教育・研究する各地の教育機関のゼミの課題と学生作品を展示する「ゼミ展」などの展覧会は毎年開催されます。

❼ TOTOギャラリー・間

「平田晃久展 Discovering New」 (2018) 展示風景
「平田晃久展 Discovering New」 (2018) 展示風景

地下鉄・乃木坂駅近くにある、住宅総合機器メーカー TOTOが運営する、建築とデザインの専門ギャラリーです。ギャラリー名は、人間・時間・空間、そしてそれぞれの間合いという、日本特有の概念を表象する「間」からつけられているそう。国内外の建築家の展覧会が年間を通じて開催されています。

ビルの3Fにあるギャラリーから、屋外にある中庭を通ってもうひとつの展示室にいたると独特な展示室の構成となっており、建築模型の展示のほか、建築家ごとに屋内外の空間を活かしたユニークな展示が展開されるのも魅力です。

同じビルの2Fには、建築・デザイン・生活文化をテーマに書籍の発行を行なうTOTO出版の直営書店であり、建築・デザインの専門書店である「Bookshop TOTO」も併設。ミュージアムショップの位置づけとなっており、他では入手しづらい書籍も入手することができます。

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表参道・渋谷・六本木地区のこれらのギャラリーは、特定のテーマに特化したギャラリーや、特徴的な展示空間を持ったギャラリーがあり、それぞれに独創的な展示を開催しています。それぞれのギャラリーの個性に触れながら、美術館とは違った展示を楽しんで見ませんか?

文・写真:ぷらいまり。

ぷらいまり。 ライター / ぷらいまり。

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