知っていると作品を見るのがもっと楽しくなる アートの材質・技法【写真編】

都内で「現代アート」の作品を見たいとき、どこに行けば見られるのでしょうか?企画展で現代アートの展覧会を行う美術館もありますが、いつでも見られる場所は意外と少なかったり。
この記事では、都内でいつでも「現代アート」の展覧会を楽しめる美術館&アートスポットをご紹介します。
まずご紹介するのは「東京都現代美術館」。清澄白河の木場公園内にある、現代美術専門の美術館。1995年に開館しました。
その特徴は、戦後美術の作品を中心に収集された約5,500点にも及ぶ大規模なコレクション。ロイ・リキテンスタインの「ヘア・リボンの少女」やアンディ・ウォーホルの「マリリン・モンロー」といった著名な作品のほか、ゲルハルト・リヒター、奈良美智、名和晃平と、国内外の現代アーティストの作品を多数所蔵しています。「コレクション展示室」では、年に3-4回の入れ替えを行いながら、これらの作品から「MOTコレクション」展として100-200点を紹介。
また、3つのフロアをつかった「企画展示室」では、現代美術を中心に、幅広いテーマ、ジャンルを扱った多彩な企画展が年間6~8本開催されています。
こうした展示のほか、グッズも充実したミュージアムショップの「NADiff contemporary」や、家族連れで楽しめるレストラン「100本のスプーン」といった、館内の店舗も充実し、展覧会を見た後にも楽しめる美術館です。
東京都現代美術館
URL:https://www.mot-art-museum.jp/
所在地:〒135-0022 東京都江東区三好4丁目1−1
最寄り駅:東京メトロ半蔵門線「清澄白河駅」/ 都営地下鉄大江戸線「清澄白河駅」/ 東京メトロ東西線「木場駅」/ 都営地下鉄新宿線「菊川駅」
六本木にある「六本木ヒルズ森タワー」53階というユニークな場所に位置するのは「森美術館」。現代アートを中心にファッション、建築、デザイン、写真、映像など様々なジャンルの展覧会が開催されています。
高層ビルの展望フロアの上に位置するのは、六本木ヒルズの開発を手掛けた当時森ビル社長の故・森稔氏が「経済(オフィス)の上に文化(アート)を置く」という点をコンセプトとしたためなのだとか。
村上隆氏の全長100メートルに及ぶ≪五百羅漢図≫が日本で初公開(2015年)されたり、塩田千春氏の大規模なインスタレーション作品が披露されたり(2019年)、Chim↑Pomが展示室内に「道」をつくりだしたり(2022年)と、広大で天井高のある展示室を活かした大規模な展示が多く行われてきました。
大規模な企画展のほか、コレクションの展示室(MAMコレクション)、映像作品の展示室(MAMスクリーン)、世界各地のアーティストとの実験的なプロジェクトの展示室(MAMプロジェクト)といった目的別の展示室も用意され、幅広い作品を1日で楽しむことができます。
森美術館
URL:https://www.mori.art.museum/jp/index.html
所在地:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53階
最寄り駅:東京メトロ日比谷線 ・都営地下鉄大江戸線「六本木駅」/ 東京メトロ千代田線 「乃木坂駅」
「ワタリウム美術館」は、外苑前にある、2020年に開館30周年を迎えた現代アート専門の私設美術館です。もともと、現代美術画廊を経営していた和多利志津子氏が「プライベート美術館をつくりたい」との想いで、1990年にオープンしたもの。
アンディ・ウォーホルやキース・ヘリング、ナム・ジュン・パイク、ヨーゼフ・ボイスなど、当時は日本であまり知られていなかった現代アーティストたちにいち早く光を当て、世に送り出してきたといいます。
スイスの建築家マリオ・ボッタによって設計された、御影石とコンクリートのストライプ模様の外壁と、街に大きく羽を広げた鳥のように力強いデザインの美術館建築も印象的ですね。
ミュージアムショップの「ON SUNDAYS」は、1FからB1Fの2フロアにわたり、1Fではポストカードや雑貨のようなグッズ、B1Fでは世界中のアート関連の書籍など、よりディープな書籍やグッズを取り扱い。ショップだけでも1日楽しめます。
2020年にはコロナ禍により来館者数が激減。しかし、運営資金調達のためのクラウドファンディングによって、目標額500万円をはるかに凌ぐ2,160万円が集まり、多くのファンに愛されていることが伝わる美術館です。
ワタリウム美術館
URL:http://www.watarium.co.jp/
所在地:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-7-6
最寄り駅:東京メトロ銀座線「外苑前駅」/ 東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」/ 東京メトロ副都心線・千代田線「明治神宮前<原宿>駅」/ 東京メトロ銀座線・半蔵門線、都営大江戸線「青山一丁目駅」
若手アーティストの作品に触れたいときにオススメしたいのは、「トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)」。幅広いジャンル、領域横断的・実験的な試みを支援し、同時代の表現を東京から創造・発信するアートセンターです。
もともと2001年に創設された若手アーティストの育成支援機関「トーキョーワンダーサイト」が、2017年に「トーキョーアーツアンドスペース」に名称変更したもの。発表の場としての「TOKAS本郷」と滞在制作やリサーチ活動の拠点となる「TOKASレジデンシー」の2館を中心に、展覧会、公演、イベントなど多岐にわたる活動を展開中です。
若手アーティストを個展形式で紹介する「Emerging」、TOKASレジデンシーと連携した「レジデンス成果発表展」、「TOKAS Project」、ジャンルを問わず企画を公募し実施する「OPEN SITE」といった、様々なプログラムを開催しています。
トーキョーアーツアンドスペース(TOCAS)
URL:https://www.tokyoartsandspace.jp/
所在地:〒113-0033 東京都文京区本郷2-4-16 (トーキョーアーツアンドスペース 本郷)
最寄り駅:JR中央線・総武線「御茶ノ水駅」/ 都営地下鉄三田線「水道橋駅」/ 都営地下鉄大江戸線「本郷三丁目駅」
初台の「東京オペラシティ」の中にある、コンピュータや電子機器などの新しい技術を用いる「メディアアート」に特化したギャラリーです。ヴァーチャル・リアリティや、インタラクティブ技術、AIといった、先端技術を取り入れた作品・アーティストを紹介してきました。
1990年に日本の電話事業100周年の記念事業として設立され,NTT東日本によって運営されている施設です。
年に1回、メディア・アート作品を中心とした幅広い作品を長期間に亘って紹介する「オープン・スペース」展 (2022年より「ICC アニュアル」展に変更) のほか、特定のアーティストやテーマにフォーカスした企画展、新進アーティストを紹介する「エマージェンシーズ! 」などの展示が開催されています。
オンラインでの展示が充実しているのも特徴。映像アーカイヴHIVE(ハイヴ)では、ヴィデオ・アート作品やアーティストらへのインタビューといった映像を、館内の端末と、一部はwebで視聴可能。また、近年では「ハイパーICC」として、web上に展覧会場のデジタルツインを構築。リアル会場とは異なる鑑賞体験をオンラインで提供するなど、メディアを活用した新しい鑑賞体験を広げています。
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
URL:https://www.ntticc.or.jp/ja/
所在地:〒163-1404 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
最寄り駅:京王新線「初台駅」
現代アートだけを専門に扱う美術館は意外に少ないものですが、都内にはたくさんのギャラリーも。ギャラリーに入るのは、美術館よりも少しハードルがが高く感じられるかもしれませんが、天王洲アイルにある「TERRADA ART COMPLEX」のようにたくさんのギャラリーが集まった「ギャラリーコンプレックス」や、銀座蔦屋書店内にある「GINZA ATRIUM」のようなオープンなスペースは入りやすくてオススメです。
まずは気軽に現代アートを楽しんでみましょう!
文・写真:ぷらいまり