知っていると作品を見るのがもっと楽しくなる アートの材質・技法【写真編】

「都内で「現代アート」を楽しめる美術館・アートスポット 5選」の記事では、都内で現代アートをみられる美術館をご紹介しましたが、国内にはそれ以外にも素敵な現代アートのコレクションを持つ美術館が多数あります。
この記事では、【西日本】でいつでも「現代アート」の展覧会を楽しめる美術館&アートスポットをご紹介します。
国内外の現代美術を中心とした作品を収集・保管・展示することを目的に1977年に開館。
もともとは、1970年の大阪万博のためにつくられた「万国博美術館」の建物を活用していたそうですが、2004年に施設の老朽化などを理由に、大阪・中之島地区に新築・移転しました。
現在の建物の特徴は、完全地下型であること。展示室や収蔵庫まで、全ての機能が地下に集約されて、地上部分は、曲線の竹の生命力と現代美術の発展・成長をイメージしたオブジェのような構造になっています。
コレクションは、ジョアン・ミロが大阪万博の際に来日して描き挙げた壁画《無垢の笑い》をはじめ、開館時にはわずか14点だったものの、その翌年に現代美術コレクターで化学者・実業家の大橋嘉一氏のコレクションの一部である828点の寄贈を受けます。
その後も国内外の戦後美術、特に現代美術の動向を意識した収集を積極的に行い、現在のコレクションは8,000点にものぼるそう。コレクション展も毎回とても見応えのある美術館です。
国立国際美術館
URL:https://www.nmao.go.jp/
所在地:〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島4-2-55
「ベネッセアートサイト直島」は、ベネッセコーポレーションが、「アートの島」として有名になった直島をはじめ、豊島、犬島という瀬戸内海に浮かぶ離島で展開する、現代アートに関わる活動の総称です。
美術館とホテルが一体となった「ベネッセハウス」のほか、「李禹煥美術館」「ANDO MUSEUM」のような1人のアーティストにフォーカスした美術館など、個性的な現代アートの美術館が多数展開されています。
その建物の多くは、建築家の安藤忠雄が手がけたもの。その中でも特に「地中美術館」は、景観を損なわないよう建物の大半が地下に埋設したユニークな構造。クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレルの3人の作品が、その作品だけのための展示室に設置されています。自然光の中で鑑賞するモネの≪睡蓮の池≫など、通常の美術館で作品を見るのとは、ひと味違った鑑賞体験になるのではないでしょうか。
また「家プロジェクト」では、点在していた空き家などを改修。宮島達男、ジェームズ・タレル、内藤礼、大竹伸朗といったアーティストが1軒ずつ作品化。この他にも多数のアートプロジェクトが展開され、島全体で多数の現代アート作品を楽しめる場所です。
岡山県勝田郡に1994年に開館した美術館です。通常の美術館と少し違うユニークなところは、「作品と建築が一体化した美術館」であること。
荒川修作+マドリン・ギンズ、岡崎和郎、宮脇愛子という4人の現代アーティストに、一般的な美術館では収集不能とされるような巨大な作品の制作を依頼し、アーティストと建築家・磯崎新が話しあいながら作品と建物がつくられていったのだそう。いわば、建築家とアーティストの「共同制作」の美術館ですね。
これらの常設作品のほかにも、年間約10程度の現代アートの企画展を開催している南棟(町民)ギャラリー、同美術館に関するデッサン、模型、ドローイングを展示する北棟ギャラリーなどのギャラリー棟もあります。
岡山駅から電車で1時間半+さらにバスで30分という、遠方からはアクセスしづらい場所ながらも、それでも行ってみたくなる魅力的な美術館です。
奈義町現代美術館
URL:https://www.town.nagi.okayama.jp/moca/
所在地:〒708-1323 岡山県勝田郡奈義町豊沢441
公立では全国初の現代美術を専門に扱う美術館として、1989年にオープンした美術館。2020年12月より改修工事のため休館中ですが、2023年3月にリニューアルオープンを予定しています。
美術館の建築を手がけたのは、建築家 黒川紀章。古代ヨーロッパの広場のようなアプローチや、日本の蔵を連想させる三角屋根などを特徴とし、広島を代表するポストモダン建築です。
コレクションは、「主として第二次世界大戦以降の現代美術の流れを示すのに重要な作品」、「ヒロシマと現代美術の関連を示す作品」、「将来性ある若手作家の優れた作品」の3つの方針に沿って収集されており、アンディ・ウォーホルやドナルド・ジャッド、フランク・ステラらの作品も収蔵。
市内を見渡す比治山の丘陵の緑豊かな公園の中にあり、屋外には、フェルナンド・ボテロ、菅 木志雄、ヘンリー・ムーア、澄川 喜一らの彫刻も展示されています。
広島市現代美術館
URL:https://www.hiroshima-moca.jp/
所在地:〒732-0815 広島県広島市南区比治山公園1-1
オンラインのコミックやゲームのサービスを展開するNHN JAPAN社が2017 年に大分県湯布院市にオープンした現代美術館。
村上隆、杉本博司、奈良美智らの作品を常設展示しています。さらに、2022年7月には新館もオープン。展示エリアは約2倍に拡大し、草間彌生、宮島達男、森万里子、名和晃平といったアーティストたちの作品も展示されました。
新館も含め建築を手がけるのは隈研吾。存在感のある焼杉の外壁の建物に、豊かな自然を映す水を取り込んだ設計となっているそう。豊かな自然の中で作品と向き合う、鑑賞体験となりそうですね。
COMICO ART MUSEUM YUFUIN
URL:https://camy.oita.jp/
所在地:〒879-5102 大分県由布市湯布院町川上2995-1
文・写真:ぷらいまり。