LWA / Life With Art(ルワー)
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【西日本編】あのアーティストの作品にいつでも出会える!現代アーティストの個人美術館

ぷらいまり。

2022.07.03

この作品素敵…!ってピンとくるアーティストに出会ったら、他の作品も見たくなりますよね。とはいえ、タイミング良く展覧会が開催されているかは分からないもの。

でも、特定のアーティストの作品だけを扱う個人美術館なら、いつでもあのアーティストの作品に出会えちゃうんです!この記事では、東日本にある現代アーティストの個人美術館を6つご紹介します。

モリムラ@ミュージアム (森村泰昌)

名画や著名人になりきる写真や映像で有名な美術家・森村泰昌氏のミュージアムです。2018年のオープン以来、複数の企画展が開催されてきました。

「モリムラ@ミュージアム」外観
「モリムラ@ミュージアム」外観

ミュージアムのある大阪市住之江区の北加賀屋は、芸術・文化の発信地として多くのアーティストやクリエイターたちの活動拠点となっている場所。建物はもともと家具屋をリノベーションした建物というもので、フロア面積は約400㎡。ふたつの展示室とライブラリー、サロン、ミニシアター、ショップが備えられています。大判の写真作品から、映像作品まで、快適な環境で鑑賞することができるのが嬉しいですね。

ミュージアムショップ「森村屋商店」では、展覧会ポスターや各種ポストカードのほか、マルチプル作品、入手困難なカタログや書籍など、他所では手に入らないオリジナルグッズも多数揃えられています。

こちらの開館日は、企画展開催中の金・土・日・祝。週末のみの開館なので、訪問の際にはお気をつけください。

モリムラ@ミュージアム
URL:https://www.morimura-at-museum.org/
所在地:〒559-0011 大阪府大阪市住之江区北加賀屋5-5-36 2F
最寄り駅:地下鉄四つ橋線「北加賀屋駅」

李禹煥美術館 (李禹煥(リ・ウーファン))

香川県の直島にある、李禹煥(リ・ウーファン)氏の作品を常設展示する美術館です。

「李禹煥美術館」外観
「李禹煥美術館」外観

李禹煥氏は、大韓民国生まれで日本を拠点に世界的に活動している美術家。1968年頃〜70年代中期に「もの派」を理論的に主導したアーティストです。2022年には、国立新美術館で大規模個展も開催されますね。

「もの派」は、石、木、土、鉄のような自然物と、セメント、工業用製品などの人工物の素材を、ほとんど手を加えずにそのまま提示し、オブジェクト(もの)と人と空間の関係性を考えるような作品群を発表した作家たちのグループ。

館内には李禹煥氏の70年代から現在に至るまでの絵画・彫刻を展示。半地下構造の美術館の建物は建築家・安藤忠雄氏による設計で、コンクリートの建物がこうした李氏との作品と調和しています。

李禹煥美術館
URL:https://benesse-artsite.jp/art/lee-ufan.html
所在地:〒761-3110 香川県香川郡直島町字倉浦1390

横尾忠則現代美術館 (横尾忠則)

兵庫県神戸市にある、美術家・グラフィックデザイナーの横尾忠則氏の作品を展示する美術館です。兵庫県立美術館王子分館(旧兵庫県立近代美術館、設計:村野藤吾氏)の西館をリニューアルして、2012年11月に開館しました。

その所蔵作品の多くは横尾忠則氏ご本人からの寄贈・寄託作品。これらのコレクションを軸とし、横尾氏と関わりのある様々な分野のアーティストや、横尾作品に関連するテーマ展など、1年間に3-4本の多彩な企画展示が開催されています。

2021年には、「横尾忠則コレクションギャラリー」も開設。横尾忠則氏の手元に保管されていた様々なアーティストの作品のほか、アーカイブ資料を交えた多彩な展示も。

横尾忠則氏の個人美術館としては、香川県の豊島に「豊島横尾館」というアートスペースも。建築家・永山祐子氏により古い民家をリノベーションしてつくられたアートスペースでは、平面作品11点が常設展示されています。

横尾忠則現代美術館
URL:https://ytmoca.jp/
所在地:〒657-0837 神戸市灘区原田通3-8-30
最寄り駅:阪急電車「王子公園駅」/ JR「灘駅」/ 阪神電車「岩屋駅」

植田正治写真美術館 (植田正治)

鳥取県西伯郡にある、写真家・植田正治氏の美術館です。植田正治氏は、鳥取県出身で、山陰の風景を被写体として撮影を続けた、世界で最も注目された日本人写真家のひとり。作家ご本人から寄贈された15,000点の作品を収蔵、常設展示しています。

「植田正治写真美術館」外観
「植田正治写真美術館」外観

所在地は、植田正治氏の作品で著名な「砂丘シリーズ」の舞台として有名な鳥取砂丘からは車で約90分ほどの、自然豊かな大山山麓のなか。

その建物は、建築家・高松伸氏による設計。建物の形状は、植田氏の作品である「少女四態」がモチーフとも言われているそう。ユニークなことに、映像展示室の壁面に世界最大規模のカメラレンズが設置されて、なんと、建物そのものがひとつの巨大なカメラになっているんです。

また、館内のガラス窓には、植田氏の作品のモチーフとして登場する「帽子」のシルエットが貼られていたり、ステッキや風船のような小道具が用意されていたりと、写真を見るだけでない楽しみ方も用意されているのもうれしい美術館です。

帽子のモチーフと”逆さ大山”をあわせて楽しめる場所も
帽子のモチーフと”逆さ大山”をあわせて楽しめる場所も

植田正治写真美術館
URL:https://www.houki-town.jp/ueda/
所在地:〒689-4107 鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3
最寄り駅:JR山陰本線「米子駅」からタクシーで25分/ JR伯備線「岸本駅」からタクシーで5分

イサム・ノグチ庭園美術館 (イサム・ノグチ)

香川県高松市にある、20世紀を代表する彫刻家 イサム・ノグチ氏の美術館。

イサム・ノグチ氏は、彫刻作品から、庭や公園といった環境設計、家具や照明など、幅広い活動を行ってきたアーティスト。生前、この地にアトリエと住居を構え、20年あまりの間、日本とNYを往き来しながら制作を行ってきました。

アートスペースには150点あまりの彫刻作品のほか、アーティストが自ら選んで移築した展示蔵や住居、晩年制作した彫刻庭園など、全体がひとつの大きな「地球彫刻」、あるいは環境彫刻となっているそうです。

見学は一日3回、約1時間の予約制なのでご注意を。

イサム・ノグチ氏のアートスペースとしては、このほかに北海道にあ「モエレ沼公園」も。こちらは「公園全体が一つの彫刻」で、イサム・ノグチ氏の最大で最後の作品となっています。

「モエレ沼公園」は公園そのものが壮大な彫刻作品になっています
「モエレ沼公園」は公園そのものが壮大な彫刻作品になっています

イサム・ノグチ庭園美術館
URL:http://www.isamunoguchi.or.jp/index.htm
所在地:〒761-0121 香川県高松市牟礼町牟礼3519
最寄り駅:JR「高松駅」よりタクシー 約25分

豊島美術館 (内藤礼)

香川県の豊島にある「豊島美術館」。建築家・西沢立衛氏の手がける建築のなかに、アーティスト・内藤礼氏の作品≪母型≫ただ1点が展示されるユニークな美術館です。

「豊島美術館」外観
「豊島美術館」外観

建物の広さは約40×60m、最高高さ4.3mの空間に柱が1本もないドームのような形状のコンクリート・シェル構造で、天井にある2箇所の開口部から、周囲の風、音、光を内部に直接取り込まれます。2016年には日経新聞の企画「専門家が選ぶ 建物が魅力的な美術館」で1位に選ばれました。

美術館と一体化した作品≪母型≫では、床面から湧き出し、玉のようになって流れていく水に屋根からの光がきらきらと反射。また、外から吹き込む穏やかな風によって作品のひもがゆらゆらと揺れ、一瞬一瞬ごとに作品が違った表情を見せます。自然の中の些細な変化や時間の流れを感じられる作品です。

「豊島美術館」外観
「豊島美術館」外観

豊島美術館はオンラインチケットによる予約制なので、訪問前に予約をお忘れなく。

このほか、豊島のお隣にある直島でも同じく内藤礼氏の作品「このことを」を鑑賞することができます。こちらは「家プロジェクト」の作品のひとつとして、築百数十年の家屋「きんざ」1棟をつかった作品。こちらも完全予約制で、ひとりずつ鑑賞する作品です。

豊島美術館
URL:https://benesse-artsite.jp/art/teshima-artmuseum.html
所在地:〒761-4662 香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃607

今回は、西日本にある個人美術館をご紹介しました。気になるアーティストがいたら、ぜひその個人美術館でアーティストの世界観を堪能してみてくださいね

文・写真:ぷらいまり。

ぷらいまり。 ライター / ぷらいまり。

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