知っていると作品を見るのがもっと楽しくなる アートの材質・技法【写真編】

旅行とあわせて、非日常感のあるアートが楽しめる「芸術祭」って楽しいですよね。毎年全国で沢山の芸術祭が開催されていますが、メジャーな芸術祭は行ったので少し変わった芸術祭にも行ってみたいなと思ったり、アートファンではない友人や恋人を誘っても一緒に楽しめる芸術祭はないかな?と思ったりしたことはありませんか?
この記事では、非日常感のあるシチュエーションで見られるアートイベントや、1テーマに特化した芸術祭など、特徴のあるユニークな芸術祭をご紹介します。
夜の雪原で展開される極寒の「野外美術展」
▍公式サイト: http://acaf.teshikaga.asia/
▍会場:ARtINn 極寒藝術伝染装置(北海道川上郡弟子屈町)
▍初開催年:2012
▍開催年:2012,2013,2014,2015,2016,2017,2018,2020,2021,2022
▍プロデューサー:善
「極寒芸術祭」は、北海道川上群弟子屈町で、毎年2月2日から3月3日まで開催される芸術祭。その主要会場は屈斜路湖近くの「ARtINn 極寒藝術伝染装置」周辺です。
2月の最低気温は-10度を下回るこの地域ですが、メイン会場はなんと屋外!しかも、時間は夜明けから21時まで。夜の時間帯には、森の中に赤いランプが灯り、焚き火が鑑賞者を迎えます。マイナス15度を超えると温泉川から舞い上がる湯気が空中で凍り、ダイヤモンドダストが発生するなど、まさに”極寒”の環境だからこその光景も。一面の雪景色の屋外に作品を展示する、自然環境の美しさと作品が相互に影響を与えるような展覧会です。
2022年は世界5カ国から約40組のアーティストが参加。滞在制作をメインとし、この芸術祭のため作品を制作しました。この土地特有の「極寒風景」に対し、アーティストは何が創れるのかを問う国際的アート実験場となっています。
▍直近の開催日程
13th 極寒芸術祭 2023 Teshikaga
会期:2023年2月2日(木)~3月3日(金)
新旧の「名建築」と共鳴するアート
▍公式サイト:https://maaf.jp/
▍会場:松本城周辺
▍初開催年:2022
▍開催年:2022
▍総合ディレクター:おおうちおさむ
松本市に存在する旧建築から近代建築まで 17か所の”名建築”を会場に約20名のアーティストによる作品を展示する芸術祭です。
地域の素晴らしい建築物が次第に壊されていくのを目の当たりにし、「こんなに素晴らしい松本の財産を、なぜ壊すのか」と考えていた芸術祭実行委員会の委員長である齊藤忠政氏が、総合ディレクターでグラフィックデザイナーのおおうちおさむ氏と再会したことをきっかけにはじまったという芸術祭。
長野県宝で松本市近代遺産の「旧念来寺鐘楼」や、国登録有形文化財の「レストラン ヒカリヤ」といった歴史ある建築から、伊東豊雄氏設計による「まつもと市民芸術館」などの近年の建築まで、時代を問わず特徴ある17の建築が舞台となり、それらの多くは松本城から800メートル以内と、歩いてまわれる範囲にあります。
アーティストも、鴻池朋子さん、本城直季さん、鬼頭健吾さん、それから小畑多丘さん、山内祥太さん、井村一登さんら…と、注目の若手からベテランまで幅広いラインナップ。
次回の日程はまだ発表されていませんが、「次回のマツモト建築芸術祭にもご期待ください!」とのコメントがあり、今後の開催にも期待のイベントです。
▍直近の開催日程
マツモト建築芸術祭
会期:2022年1月29日(土)~2月20日(日)
無人駅が美術館に
▍公式サイト:https://2022.unmanned.jp/
▍会場:大井川鐵道の無人駅とそこから広がる集落 (静岡県島田市・川根本町)
▍初開催年:2018
▍開催年:2018, 2019, 2020, 2021,2022
▍総合プロデューサー&ディレクター:NPO法人クロスメディアしまだ 大石歩真・兒玉絵美
2018年より静岡県島田市と川根本町という2つの市町で開催を重ね,
2022年で5回目の開催となる芸術祭。その舞台は、静岡県を流れる全長168kmの大井川と、河川に沿って走る大井川鉄道の無人駅を入り口とした集落全体です。
SLやトーマス号でも人気の大井川鐵道ですが、その全20駅のうち16駅は無人駅。その無人駅が美術館に変貌します。
現代社会を象徴する「人が存在しない=無人」をテーマに、「無人と呼ばれているけれど、確かに存在する豊かに生きる人々」「無人と呼ばれる場所に、どんどん増えていく手の入らない場所」の2つをアートとともに発信し、地域の再発見に導く、前向きでチャレンジングな芸術祭です。
2022年には15組のアーティストが参加して開催されました。
▍直近の開催日程
UNMANNED無人駅の芸術祭/大井川2022
会期:2022年2月25日(金)〜3月21日(月)
温泉街が舞台の、アート、音楽、映画の複合イベント
▍公式サイト:https://www.ataminews.gr.jp/ad/2022atamiart/
▍会場:熱海 起雲閣を中心とした市内サテライト会場
「熱海芸術祭」は、熱海の街はもちろん、海や山も舞台に、熱海を中心に活動するアーティストの多彩な作品を楽しむアート・イベント。
2022年で12回目となり、熱海を中心に活動するアーティストたちが多岐にわたる作品を披露する「ATAMI ART EXPO」のほか、熱海市在住の世界的ヴォイスパフォーマー巻上公一がプロデュースする「熱海未来音楽祭」や、怪獣映画を上映しながら熱海を「怪獣の聖地」として盛り上げる「熱海怪獣映画祭」、熱海で生まれたファンタジー童話「クレヨン王国」の原画を展示する「クレヨン王国ワールド」など、様々なジャンルのイベントを組み合わせた大きな芸術祭となっています。
起雲閣や來宮神社といった歴史的建造物や、ACAO SPA & RESORT、熱海温泉 古屋旅館のような温泉旅館など、熱海の温泉街らしい施設を舞台にイベントが展開されるのも魅力のひとつ。
また、熱海の魅力をアートにより再発見するために2021年に生まれたプロジェクト「PROJECT ATAMI」では、滞在制作型プロジェクトの「AKAO ART RESIDENCE」と、アーティストをサポートする「ATAMI(ASIAN)ART GRANT」を二本の柱として取り組み、芸術祭の中では、公募アーティスト、レジデンスアーティスト計50組の作品を芸術祭の中で展示します。
▍直近の開催日程
熱海芸術祭2022
会期:2022年9月23日(金・祝)~11月30日(水)
宇宙に一番近い芸術祭
▍公式サイト:https://satfes.jp/
▍会場:種子島 千座の岩屋ほか
▍初開催年:2017
▍開催年:2017, 2018, 2019, 2020, 2022
JAXAの宇宙センターがあることで有名な種子島。そんな種子島で「自然と科学と芸術の融合」を目標にはじまったのが芸術祭です。
2017年に第一回目の「種子島宇宙芸術祭 」がスタートした後、2021年には種子島宇宙芸術祭実行委員会は解散しましたが。1年間の休止期間を経て、2022年に新・種子島宇宙芸術祭実行委員会を再編成し、新たな体制での試みが始まっています。
目玉の企画は、2022年で8回目の開催となる「千座の岩屋スーパープラネタリウム“MEGASTAR”イベント「星の洞窟」」。海岸にある巨大な洞窟「千座の岩屋」内に、大平技研製作のMEGASTAR-Ⅱを設置し、洞窟の壁面に無数の星を投影し、幻想的な空間を再現します。また、光のアーティスト千田泰広さんの作品展示や、サックスの演奏も。過去には、本物のロケットの一部を使用した作品や、宇宙をテーマに制作された作品が展示されるなど、種子島らしい作品が多く展示される芸術祭です。
次回の「宇宙に一番近い芸術祭」は2024年2月開催予定_のようですが、「星の洞窟」は2022年11月24日~26日に開催されます。
▍直近の開催日程
星の洞窟
会期:2022年11月24日(木)~26日(土)
気になる芸術祭はありましたか?地域特有のユニークな芸術祭、是非行ってみてくださいね。